UAV搭載型グリーンレーザーとラジコンボートにより、農業用ため池の3次元形状を計測しています。
現地の様子
技術者のこだわり
近年、自然災害の増加により、ため池施設が決壊する危険性が増加しています。
国などが進める「流域治水」では、ため池の洪水調整機能が注目され、その基礎となるデータの整備が求められています。
従来、ため池内の測量は、測線に沿って作業員が乗ったボートで移動しながら「レッド測深」を行っていて、調査に多大な時間と人員が必要でした。
アンドーが行うため池の3次元計測は、「UAV搭載型グリーンレーザースキャナー」「ソナー搭載ラジコンボート」を使用して、ため池内の点群を取得。
樹木等の不要物を処理し、TIN(三角網)を作成し、ため池の地形モデルを作成します。
また、水際部の満水面高を設定した水面のTINを作成し、地形モデルとの差分を撮ることで、ため池の貯水量の算出が可能となります。
3次元データでため池の形状を把握するため、精度が高く、再現性が高い結果を得ることができます。
UAV・ボートともに事前に運行ルートを設定して、GPSによる自動航行するため、作業員の作業効率と安全性が、大幅に向上します。
データ
所在地 | 塩尻市内 農業用ため池 20か所 |
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発注者 | 塩尻市農林課 |
業務期間 | 2020.08~2021.10 |
担当支店 | 松本 |
設計項目 | 測量業務 基準点測量 深浅測量 UAV空中撮影 設計業務 設計洪水量の検討 設計図作成 点検とりまとめ |
概要 | 【使用機材】 ・UAV: Matrice600、Matrice300RTK ・レーザー: LiAir(近赤外線)、T-DotGrenn(グリーン) ・カメラ: ZENMUSE P1 ・ソナーボート: Power Dolphine |
3次元計測で得たため池の諸元は、ため池の耐震調査や、ハザードマップ作成時の検討資料として、精度向上を図ることができます。
「流域治水」の観点では、降雨時の洪水調節機能の検討、堆積土砂の春節や補修工事の工法検討にも役立ちます。