小谷村大沢地区において、地すべり対策として、地形測量、地質調査を行い、現地状況に即したブロック堰堤詳細設計を行いました。
現地の様子
技術者のこだわり
堰堤計画地の上下流も含めた、地すべり区域全体を把握できるUAV測量による最新の3次元地形データの取得を行いました。UAV測量成果と既往地形を重ね合わせヒートマップを作製することにより、地すべり活動による土砂の移動を視覚的にわかりやすく発注者へ提案することができました。
また、社内で独自に【BIM/CIM活用促進業務】に位置付け、BIM/CIMによる成果品の提出に挑戦しました。3次元地形測量 →3D堰堤配置、埋戻し地形の詳細検討 →3次元構造物作成 →統合モデルによるわかりやすい資料作り と、BIM/CIMを活用することで様々なメリットが生まれました。
さらに、これを応用して類似形状のブロック堰堤の配置ミスを防止するため、各ブロックをタイプ別に色、記号で分類し、配置展開図に情報を付加して見える化を行いました。
データ
所在地 | 北安曇郡小谷村大沢地区 |
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発注者 | 姫川砂防事務所 |
業務期間 | 2018.09.20~2019.09.30 |
担当支店 | 松本 |
設計項目 | ・設計 地すべり安定解析 1式 谷止工詳細設計 1基 ・測量 地形測量(UAV) 0.015km2 ・地質 機械ボーリング 11m 標準貫入試験 11回 |
概要 | 業務対象地域の大沢地区は平成26年の融雪期より地すべり活動が始まり、平成28年にブロック堰堤による背面押え盛土の効果により安定化を図りましたが、平成29年の融雪期に再びJ1,J3ブロックの地すべりが発生しました。 業務開始時点では、大型土のう積による応急対策により、地すべり活動が小康状態となったため、大型土のう積みによる応急対策から恒久対策へ転換することを目的としたブロック堰堤の詳細設計でした。 |
BIM/CIMの取り組みにより、様々なメリットを得ることができました。
・地形変化が大きい場合のヒートマップによる見える化→発注者へ提案が容易になりました。
・任意の縦横断図が作成→繰り返しの検討が可能。
・2次元ではわかりにくい堰堤構造図の作成、詳細な埋戻検討が可能
今後は、3次元の施工ステップモデル図作成、コンクリート砂防堰堤での打設割図・コンクリート体積算出、3次元データによる発注者との情報共有・打合せ などにチャレンジしていきたいと考えています。